エクソシスト!(悪魔祓い)告白

対決は終わった・・電気が点く、やはり、ブレーカーが落ちたのではなさそうだ。

 

Mさんが目を覚ます、「Mさんが寝ていた時にとんでもない事が有ったのよ」S子さんが興奮した口調でで霊現象の顛末を説明するがキョトンとしている・・

 

・・何か心に引っ掛かる。あれだけ騒いでいたのに寝ていられる訳が無い、寝てたのではなく気を失っていたのではないか?

 

二人のやりとりを見て考え込む「やはり、そうか!」Mさんは本当のことを隠している・・

 

もう夜中の2時近いが気が立っている、このまま帰ったのでは寝れないだろう。

 

「Mさん、時間も遅いですが、本当のことを話してください!」私は強い口調で切り出した。

 

目を遠くに向け、しばらく物思いにふけるMさん・・小声でポツリと「私、人を殺したことがあるんです!」・・「たぶん2~3人」

 

 

「ええっ!それは具体的にどういう事ですか!?」驚く私。

「えっ、Mさんが殺人?」と横で大声をあげるS子さん。

 

「私は、今まで誰にも話したことは無い、と言うより話せなかった!」心の深い海に沈め、封じ込めたつもりの忌まわしい記憶・・言葉を選ぶようにゆっくりと語りだすMさん。

 

「あれは、もう30年も前のことです、私が千歳の小学校に通いだした夏ころでした」・・

 

子供のころから人見知りの私は小学校に入っても友達が出来ず、みんなが仲良く遊んでいるのを一人眺める毎日でした。

 

住んでいた近くにブランコやシーソーが置いてある公園がありました、今のグリーンベルトあたりだと思います、

 

両親は共稼ぎで、学校から帰っても家にはだれも居ません、一人っ子の私は学校から帰ると一人でその公園に遊びに行くのです。

 

何回か通っているうちに同じ年くらいの女の子と友達になりました、その子も同じくらいの時間に一人で公園に来るのです・・

 

初めて友達が出来ました、でも住んでる家も知りませんし名前も忘れました。

 

 

二人で遊ぶといっても、どちらも親が裕福じゃなかったようで、オモチャなど買ってもらえません、

 

ブランコやシーソーに乗るか砂遊び程度です、飽きたら地面に釘で絵や覚えてての字を書いて遊ぶのです。

 

この頃、たしか(悪魔くん)というアニメがテレビで流行ってました、

 

アニメの主人公で同じ年位の少年が地面に魔方陣という絵をかき呪文を唱えると絵の中心から悪魔が呼び出され、出てくるのです。

 

 

たしか、(エロイムエッサイム・エロイムエッサイム・我は求め訴えたり!)でしたか?

 

これが面白くて、雨が振らない限り二人が公園で会うたびに毎回やるんです

 

絵(魔方陣)を書き終えると交代で一人が真ん中に立ち、もう一人が円の(魔方陣)外に立って呪文を唱えるのです。

 

公園の友達と遊ぶように成ってから3ヶ月くらい経った頃でした・・真っ黒に日焼けして毎日のように遊んでましたが秋が近くなって、もう半そでの服では寒い頃だったと思います。

 

・・学校から帰ると私はいつものように公園に行きました、友達はまだ来てません。

 

絵は(魔方陣)太い釘で固い地面の土に書くのですが、(友達が来たら驚かせてやろう)と、

 

「今までに書いたことが無い変わった絵を(魔方陣)書くぞ!」・・独りごとを言いながら

 

地面に釘を突き刺しました、すると・・手に持った釘が土に刺さったまま腕と身体が勝手に動き出しました。

 

「うわぁ!」自分で止めれない・・しゃがんだまま身体が浮いる!地面を釘が滑るように土煙を上げながら走る!指が痛い、目が回る、気持ちが悪い。

 

やっと止まった!立ち上がり絵(魔方陣)を見る。「うわぁ、キレイ」

 

 

ふと、横を見ると友達の女の子がいつの間にか立っている・・

 

「うわっ、スゴイの書いたね!」・・「うん、私が書いたんだよ」自慢したくてウソを言った。

 

友達が、「私、真ん中に立つから呪文を唱えてね」・・「うん、じゃぁ私は絵の(魔方陣)の外に立って呪文を言うよ」

 

「エロイムエッサイム・エロイムエッサイム・我は求め訴えたり」

「エロイムエッサイム・エロイムエッサイム・我は求め訴えたり」

「エロイムエッサイム・エロイムエッサイム・我は求め訴えたり」

「エロイムエッサイム・エロイムエッサイム・我は求め訴えたり

 

私が四回目くらいの呪文を唱えたとき、突然、目も開けられないような突風が土煙を上げながら吹き出し魔方陣の中も見えない、

 

がんばって薄目を開けると魔方陣の真ん中に竜巻のような渦が巻いている!

 

「ううぁぁ」土煙の中に何かが見えた。

 

 

「悪魔だ!怖いよおお」叫ぶが喉から声が出てこない!尻餅をつきながら後ずさる。

 

私は友達を置いて一目散に逃げ帰ったのです。

 

家に逃げ帰り1時間ほど布団をかぶって震えていましたが、少し気持ちが治まると置き去りにした友達が心配に成ってきました。

 

「ヤッパリ、行ってみよう!」外はまだ明るかったのですが、時間はもう夕方近くだったと思います

 

「あれぇ、誰もいないし魔方陣も消えている?」・・

「友達は帰っちゃったのかなぁ?」

 

続く・・

 

2017年07月26日